01
まず「会社」「案件」「次にすること」を分ける
顧客名だけの一覧では、今どの相談が進み、次に何をすればよいかが分かりません。自社ツールでは、会社の情報、個別の案件、対応履歴、仕事と期限をそれぞれ扱えるようにしました。会社は同じでも案件は複数あり、一つの案件にも複数のやることがあるためです。
入力する際は「提案中」のような状況と、「受付手順を聞く」のような次の行動を分けます。期限がまだ決まっていない仕事は未設定として扱います。空欄を埋めるために相手と合意していない日を置くと、確認すべきことがかえって見えにくくなります。
架空の会社A
問い合わせ対応の整理
- 状況
- ヒアリング準備
- 次の仕事
- 現在の受付手順を確認する
- 期限
- 未設定
架空の会社B
見積作成の手順整理
- 状況
- 社内確認中
- 次の仕事
- 転記する項目を洗い出す
- 期限
- 未設定
会社・案件・次の仕事をつなぐ

- 会社相手先の基本情報を一か所にまとめる。
- 案件会社ごとの相談や進行状況を分けて残す。
- 次の仕事何をするかを具体化。未定の期限は未設定。
02
会社や案件の情報を、書類にもつなぐ
会社名や案件を、案件一覧・見積・請求へそれぞれ入力すると、変更のたびに複数箇所を確認する必要があります。自社ツールでは会社・案件・既存の請求情報を帳票作成で共有し、見積の内容から請求の下書きへ進める機能を実装しました。
ただし、見積を使い回せることと、請求内容が正しいことは別です。対象の仕事、合意した金額、相手先、期日を確認し、下書きから正式な書類へ進める判断は人が行います。確認時点では正式発行に必要な発行者情報の設定が未完了のため、社内運用は下書き・PDF生成の範囲です。
| 扱う情報 | つなぎ方 | 残す確認 |
|---|---|---|
| 会社・案件 | 登録済みの情報を帳票でも参照 | 相手先と対象案件の選択 |
| 見積と請求 | 見積を請求下書きに変換 | 合意内容と請求する範囲 |
| 請求と入金 | 請求に対する入金を記録 | 実際の入金と残額の照合 |
この仕組みで転記や確認にかかる時間がどれだけ変わったかは、まだ測定結果を公開できる段階ではありません。機能が動いたことを、そのまま削減効果として数値化しないようにしています。
03
スマホでは、月の見通しと一日の詳細を分ける
カレンダーはスマホでも月全体を7列で表示し、日付・今日の表示・予定件数を確認できるようにしました。小さな日付の枠へ長い予定名を詰め込まず、日付を選ぶと、その日の予定を下に表示する構成です。
この修正は「スマホでも月カレンダーを表示したい」という社内の使い方から行いました。会社のGoogleカレンダーとの読み取り・登録連携は、招待先のない一時的な検証予定で確認し、その予定は検証後に削除しています。顧客の予定をテスト用に変更したものではありません。
業務画面を考える際も、一覧へ全部を詰め込むより、最初に見たい情報と、選んでから確認する情報を分ける方法があります。パソコンで使える画面でも、スマホで同じように使えるかは別に確かめる必要があります。
04
読み取り候補は、原本と比べてから登録する
受け取った書類の確認では、原本ファイルを保管し、文字情報を持つPDFから日付・合計額の候補を出す機能を実装しました。候補のまま確定せず、人が原本と見比べたことをチェックしてから登録する流れです。
写真やスキャン画像の自動OCRは、確認時点では未接続です。その場合は手入力で扱います。また、受け取った請求書を登録しただけで、自社の売上請求や入金を自動作成することはしません。書類の種類と、そこで確定してよい情報を分けています。
- 金額は合計だけでなく、原本のどの値を拾ったかを確認する。
- 元の書類が変わったら、以前の確認をそのまま有効にしない。
- 読み取れない書類は、無理に自動処理せず手入力へ戻す。
自動化を進める際は、「どこまで自動でできるか」に加え、「間違いに気づく場所」と「手で戻せる方法」を用意することが大切だと考えています。
05
できることと、まだつないでいないこと
2026年9月10日の確認範囲は次のとおりです。開発中の機能を、提供済みのサービスや完成済みの仕組みとして説明しないために整理しています。
| 項目 | 確認時点の状態 |
|---|---|
| 顧客・案件・対応履歴・仕事の管理 | 自社用の管理画面を開発し、社内運用中 |
| 月カレンダーと会社カレンダー連携 | 社内公開・連携の動作検証済み |
| 帳票 | 下書きとPDF生成を実装。正式発行は必要情報の設定が未完了 |
| 写真・スキャンの自動OCR | 未接続。手入力で扱う |
| メール自動送信・期限通知 | 運用未開始 |
| 時間短縮・費用削減の成果 | 公開できる実測値なし |
このCRMは自社の業務に合わせた社内ツールです。同じ機能一式を定額で販売する案内ではありません。別の会社で必要な仕組みは、既存ソフトや担当者の仕事の流れから検討します。
06
自社で考えるときは、転記と確認を一つずつ見る
最初に整理するのは、使う技術の名前ではなく、繰り返し書き直している情報です。顧客名をどこに入力しているか、次の仕事をどこで確認しているか、書類の数字を誰が確定するかを書き出します。
- 同じ情報を複数の表へ書いているなら、正本と参照先を決める。
- 案件の状況は分かるが動けないなら、次の行動を別に残す。
- 一覧が読みにくいなら、最初に見る項目を絞って詳細を分ける。
- 自動処理を加える前に、不明な値と人の確認をどう扱うか決める。
既存の表計算やクラウドサービスで整理できるなら、その方法も候補です。シゴツグは業務整理・事務効率化の支援で、必要な範囲から一緒に考えます。扱う情報の判断については会社の情報をAIへ入力する前の確認も参考にしてください。
2026年9月10日の自社開発・検証記録に基づき執筆。画面例は公開説明のために再構成しています。機能の実装・社内運用・効果の実測を区別して記載しています。


