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残業の前に、仕事が止まる場所を見つける
夕方になってから報告をまとめる、承認が返るまで次へ進めない、同じ内容を紙と表へ入力する。残業の原因は「文章を作るのが遅い」だけとは限りません。まず、誰が何を待ち、どこでやり直しているかを聞きます。
架空の営業事務なら、問い合わせを受ける→資料を探す→返信案を作る→責任者が確認する→送信・記録する、という工程に分けられます。手を動かす時間と、案件が止まっている時間を分けます。ここでいう待ち時間の分類は業務改善用であり、法律上の労働時間に当たるかを決めるものではありません。
退勤の遅れが承認待ちに集中しているなら、下書きだけを速くする前に確認の時間帯や代理担当を決める必要があります。誰か一人へ仕事を押しつけず、工程全体で終えやすくするのが出発点です。
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4つの事務を、道具と人の役割に分ける
| 工程 | 先に整えること | AIや既存機能の役割/人の確認 |
|---|---|---|
| 転記 | 同じ項目を何度入力しているか、取込先の列をそろえる | OCR等で候補を作る。人が原本・金額・重複を確認して反映。 |
| 資料探し | 保存先、資料名、版、閲覧できる人を決める | 検索や一覧化を補助。人が参照元・最新版・承認状態を確認。 |
| メールの下書き | 承認済み資料と、回答してよい範囲を決める | AIが返信案を作る。人が価格・納期・宛先・添付を確認して送信。 |
| 集計 | 列名、入力形式、集計期間をそろえる | 決まった計算は数式・集計機能。人が範囲と例外値を点検。 |
AIを使う前に不要な二重入力をなくせるなら、その改善から始めて構いません。全文を読ませるより必要な部分だけ渡す、同じ確認を二人が繰り返すなら責任範囲を分ける、といった小さな変更も候補です。
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架空の一日:下書きが早くても、退勤が変わらない
次に変えるのは、確認の受け渡し
- 試行対象を、承認済み資料で回答できる問い合わせへ限定する。
- 不足情報は先に別欄へ出し、責任者が判断すべき点を分ける。
- 確認可能な時間帯と、責任者が不在のときの扱いを合意する。
- 確認担当の作業時間、差戻し件数、案件が完了した時刻を測る。
これは進め方の例です。確認時間を確保できないまま自動送信へ進むのではなく、対象を絞るか従来の手順へ戻します。顧客への回答期限は現場の条件に合わせ、この記事の時間を基準に約束しないでください。
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測るのは、作業時間・未処理・勤怠の3つ
改善用の記録は、誰が遅いかを競わせるためではなく、直す工程を見つけるために使います。担当者と確認者の両方で、対象件数と例外の難しさをそろえて比べます。
| 見るもの | 架空の記入例 | 分かること |
|---|---|---|
| 作業の内訳 | 下書き20分/照合・修正60分 | 速くなった工程と、増えた確認負担 |
| 未処理と差戻し | 確認待ち3件/理由は納期未確定 | 一日で終えられない原因 |
| 実際の勤怠 | 会社の勤怠記録を管理者が確認 | 業務改善が退勤や労働時間に結びついたか |
厚生労働省の労働時間の適正把握ガイドラインは、始業・終業の確認と記録、原則として現認や客観的な記録に基づく把握を示しています。作業用ストップウォッチやAIの利用ログだけで、正式な勤怠の記録を置き換えないでください。
「AIを入れたから残業は短いはず」と実際の申告を抑える運用にしません。業務上必要な準備や確認、指示された研修も、実態に沿って扱う必要があります。割増賃金の個別計算は勤怠・給与の担当者へ確認し、本記事では一律の単価で削減額を決めません。
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残業が減らないときの見直し方
| 起きていること | 戻って確認する場所 |
|---|---|
| AIの出力を直す方が大変 | 入力資料、完成条件、対象の難しさ。短い定型作業へ絞る。 |
| 担当者は速くなったが上司が詰まる | 確認する項目、タイミング、代理担当。確認者の時間も比較する。 |
| 紙とシステムの両方へ入力している | どちらが正式な記録か。不要な工程を廃止できるか責任者が判断。 |
| 夕方に仕事が集中する | 依頼の締切、受領時刻、まとめ作業の時間帯を見直す。 |
| 空いた分だけ別の仕事が増える | 優先順位とその日の完了範囲。改善後に追加した仕事も記録。 |
| ツールが止まって処理できない | 未処理の一覧と従来手順。復旧時に二重登録しない確認。 |
数字の改善が見えなくても、原因が分かれば次に直す場所を選べます。逆に作業時間だけ短くても、確認待ちや顧客への回答遅れが増えているなら、運用を広げる前に手順を修正します。
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社員が使える状態まで進めるチェックリスト
最初の説明会で終わらず、架空の材料で「作る・確かめる・戻す」を練習します。入力ルール、元資料、指示文、確認窓口を同じ場所に置き、新しく担当する人も引き継げる形にします。
- 今回の対象業務と、対象外が説明できる。
- 資料と出力を照合する担当が決まっている。
- 情報不足・矛盾・重複を、確認待ちへ戻せる。
- 準備・確認・研修の負担を評価から外していない。
- 作業の短縮と実際の残業の変化を分けて見ている。
- 使いにくい点を伝える窓口と見直す日が決まっている。
次の段階は、別部署へ一斉に広げることとは限りません。まず同じ仕事を別の担当者が扱っても迷わないか確かめます。残業を減らしたうえで、所定の勤務時間内に生まれた余力を顧客対応や技術継承に使う方法も考えられます。熟練者の確認手順を一緒に記録し、引継ぎの練習をする場合も、その時間と担当者の負担を計画に含めます。具体的な練習の組み方は社員研修の記事、費用と支出の関係は賃金と人件費の記事で確認できます。
出典は該当箇所に記載しています(2026年9月8〜9日確認)。


